鬼 鴉【総集編】



「落ち着いたら……、呼んで下さいね?」


紅拳は目を綴じ、癒すように闘華に語り掛けて、その傍から離れて行く。


「……」


紅拳の後ろ姿を、無言で見送る闘華は、その場に崩れしゃがみ込む。

いまさらではあるが、戦というモノに嫌悪感を抱き、拒絶を表す。


「ゴロォッ……」


拒絶は体調へと現れて、変調を兆す。

胃液が逆流し、闘華は、地面に嘔吐する。

空っぽの胃からは、黄色い液体だけが搾り出された。

その眼は充血し、呼吸は荒く、闘華は涙ぐむ事しか出来ない。


「うぅ……」


闘華は、ただ漏らすように呻いていた。