「……トウカ様っ!!」 アークはその光景に目を奪われたが、すぐに正気を取り戻し自分の上官の名を叫ぶ。 「……」 闘華は音も無く振り返ると、紅拳とアークに視線を送る。 全身に浴びた返り血は、すでに乾き、膠のように闘華の身体にこびりついていた。 赤黒くなったソレの下には、蒼白となった表情しかない。 「大丈夫、ですか?」 紅拳はその表情にただならぬモノを感じ、声を掛けていた。