「フフ……。まぁ、足手まといにならないよう、頑張りますよ」 意味深に微笑みながら、紅拳は口を開く。 「……」 曖昧な、戦場に似つかわしくない紅拳のその態度に、闘華は閉口する事しか出来なかった。 それから日が暮れるまでの日中、鬼鴉の砦と蛮族の城の静かなる睨み合いが続いている。 互いに獲物を狙う野獣のように息を潜め、歯牙を研ぐ姿は、命のやり取りを待ち望んでいるようにも見えた。 深夜、草木が眠り動物も身体を休める刻。 理性を持つ人間だけが、生死を賭け動き出すのであった。