海上には、鬼鴉の両陸軍に海軍、親衛隊と、総勢1200名の姿が存在していた。



あの作戦会議から、すでに1週間が過ぎている。

闘華の出した作戦の準備等で、それだけの日数が必要だったからだ。



「……中々の、名軍師ぶりですね?」


海上、1隻の輸送船上の甲盤で紅拳は、海を眺めている闘華の背中に声を掛ける。


「……」


闘華は無言のまま、紅拳の方へと振り返った。



「一石二鳥が、三鳥にも四鳥にも成りそうな、勢いですよ」


紅拳は2隻の輸送船に繋がれた筏、20隻を見ながら声を発する。



「……昔、日本の武将が材木を川の上流から流し移動させて、その材木を使い1日で城を作った。という伝説を、応用しただけの事です」


闘華は無表情で淡々と、その言葉に答えていた。