「砦の材料……。と言っていましたが、ソレは、木材でしょうか?」


「……アァ、加工もしていない丸木だが……」


闘華の質問に対して、不思議そうな表情を浮かべながら、ランスはボソリと答える。

納得したように、闘華は一つ頷くと、さらに口を開いた。


「……砦を建造できそうな、土地は?」


「湾岸の近くに構築できそうだが、蛮族の城からも近い距離にあるので、……先程言った通り無理だゾ?」


さらなる闘華の質問に、ランスは不満げに首を傾げながら答える。


「……兵の移動も、砦の構築もなんとかなりそうですね」


「!?」


闘華の呟きに、ランスは耳を疑う。



「……一夜城というモノを知っていますか?」



闘華はただ静かに、自分の知識を総動員させた策を、皆に説明するのであった。