「無駄に物を消費する位なら、先に800の兵力をぶつけ、後詰めで残りの400を加え、最後に総力戦をおこなう」
地図上の駒を、描かれた城へと順番に集めながらランスは口を開く。
「あの蛮族共を殲滅するには、ソレしかなかろうよっ……!!」
「そして、全てを灰燼と帰す……。か?」
ランスのその発言に対して紅拳は冷笑を浮かべ、揶揄するように、呟いていた。
目的が蛮族の殲滅ならそれで良いのだろうが、城の奪取が本来の計画なのだから、全てを破壊しては意味がない。
「……」
全員の沈黙が辺りに浸透し、静寂が生まれる。
言葉を発しているランスと紅拳以外、ブレイドにティグ、闘華とアークがそれぞれ互いの顔を見渡し、後の動向を息を飲んで待つしかなかった。
アークに限っていえば、発言権を持っていない。
親衛隊の一隊員でしかないアークに、戦局を左右させる程の責任は与えられていないからだ。
