「ほう?」 紅拳は冷めた目でランスを見つめると、腕を組み代えながら声を漏らす。 そこまで準備しているのならば、砦を構築する策をとるべきである。 そのランスの矛盾ぶりに対し、紅拳は冷ややかな表情を作っていた。 「砦を造るのに、何日かかると思う?人員を増やしたとしても、最低三日は掛かるだろう」 今度はランスが逆算するように、日数を口に出していく。 「その間に夜襲でも喰らったら、なにもかも台なしだゾ……」 渋々ではあるが、ランスはさらに言葉を続けるのだった。