「攻城戦に必要な戦力は蛮族方戦力の、約3倍。……総力戦となれば無駄に兵士が命を落とし、城も瓦礫と化すでしょう」
「仕方なかろうっ!!」
冷静に理を述べる紅拳に対し、ランスは半ばムキになって叫ぶ。
「砦なり、陣を構築し、長期戦、もしくは持久戦に持ち込むのが道理でしょう……」
そんなランスの激情を受け流すと、紅拳は淡々と呟いた。
その策も、前回の戦いで夜襲を喰らい失敗しているのだが、兵を疲弊させずに蛮族達を篭城させ、兵糧攻めで無血開城を果たす事も出来る。
「フン……、砦の材料なら準備してるサッ!!」
その考えがあったのだろう、ランスは吐き捨てるように声を荒げた。
