「……親衛隊の隊員は、あんな年端のいかぬ子供ばかり、なのですか?」
アークの後ろ姿を見送る闘華は、率直な意見を呟く。
親衛隊詰所に案内された時、最初に気になったのは隊員の年齢層である。
ほぼ、全員の年齢が十代中盤から後半であり、その純粋な眼差しは血生臭い戦さとは、無縁のように思えたからだ。
「……次世代の教育、ですよ」
「次世代?」
紅拳はその質問に返答をするが、答えた意味を掴めなかった闘華はすぐに聞き返す。
「私の見解ですが……、今存在する陸軍、海軍は正規の鬼鴉の兵士ではありません」
そう切り出した紅拳は、鬼鴉についての持論を口にする。
「雇われた兵ではなく、鬼鴉の為の忠誠心の高い兵士を、育成しようとしているのでしょう」
「……」
紅拳の説明に闘華は沈黙し、組織というモノの在り方に恐怖を抱いた。
