「……アレが鬼鴉の主要幹部です。お分かり頂けたでしょうか?」


渡り廊下を歩きながら、ロインは闘華に話し掛ける。

大方の説明が終わったのだろう、ロインはそう切り出した。



「まだ、貴女の役職を聞いてませんが……?」


闘華は無表情のまま、問い掛ける。



「……そうでした、ね?私は鬼鴉の副将を務めています、ロインと申します。あらためて、よろしくお願いしますね」


ロインは闘華に向かって敬礼すると、微笑む。


「ハイ、よろしくお願いします」


闘華も立ち止まり、頭を深く下げる。


まるで、儀式のように行われた二人の挨拶は、長い沈黙を産み出した。