「……っ!?」 闘華は嗅ぎ慣れないその臭いに、眉をしかめる。 「ロイン殿……」 医務室内は、他の部屋より比較的に広く、寝具が多数設置されている。 その寝具に横たわっている人物が、ロインに声を掛けた。 「……」 闘華は、眼を細めてその人物に注目する。 あの海賊船を降りた時、何人かの鬼鴉の一員とおぼしき者を、闘華は確認していた。 先程のランス、ブレイド両名とも下船した時に顔を見ている。 それから導き出される答えは、一つだけだった。