「……しかし、移動方法が海路ならばソレを先に潰せます。もちろん、先に攻める事も可能……」
対策や計略の部類に入るであろう持論を、簡潔にロインは説明する。
「ジェノスの海賊船を見れば、一目瞭然ですね?たった一隻であの行動力ならば、我々にも海軍は必須かと……」
持論をまとめ、ロインは鬼人に一礼すると評価を待つ。
「流石だな、私の予想通りだ。船が兵を運ぶだけの考えは、もう通用しないだろう。……その為、海賊船に乗ってもらったんだから、ナ」
腕を組み、感心するように鬼人は呟いていた。
客観的に、長所や短所を見極める事の出来る存在は、非常に稀有である。
大きな組織ほど、ソレは大切な事であった。
