「……兄上は鬼人として私に、手を貸して欲しいと頼みました」
重い口を開き、桃華は、意を決したように声を発する。
「私は、犬飼 桃太郎 として、兄上の代わりとして犬飼家を守ってきました」
桃華は、淡々と呟き続けていた。
「鬼人にとって犬飼家を守る事は……、ほんの、些細な事だったのでしょうか?」
守り続けた虚構は、桃華の証でもある。
何の為にソレを守ってきたのか、今までの人生を全否定されてしまう。
「鬼人様は、我々のようなイマに馴染め無い者たちを導く、先駆者です。あの人の祟高なる理想には、日本での出来事など小さき事なのでは?」
ロインは少し冷たい口調で、答えていた。
