「……ロインさん、貴女と兄上は恋人同士なのですか?」


洞窟内の一部屋、桃華は身の周りを整理してくれているロインに向かい、唐突に質問する。


「何故です?」


ロインは少し驚きながらも、すかさず桃華に問い返す。


黒船の中で船室に軟禁されている桃華の、身辺の世話役になっていたのがロインである。

約二週間程だろう、会話を積み重ねた結果で桃華はそう判断していた。

もちろん深い仲などにはなってなかったのだが、察するモノがある。



「いえ、深い意味はありません……。ただ、兄との関係が一番長そうだと思いまして……」


桃華も確信があったワケでは無いので、ロインに問い返されると少し言葉を濁すのだった。