「まさか、寸剄を避けられるとは……」 自分の右手を見つめながら、紅拳は呟く。 「寸剄……?あの樽壊しの技の事かい?」 ジェノスは紅拳の言葉を一瞬だけ考え、閃いたように思い出し尋ねる。 船内で、紅拳がジェノスとランス相手に見せた技であろう。 「でも、アンタ、その男を圧倒してたんだろう?たまたま……、じゃないのかい?」 右の掌を見つめたままの紅拳に、ジェノスはさらに語り掛ける。 『グイッ』 紅拳は無言のまま、自分の胴着の左腕の袖を捲くっていた。