黒船の甲盤の上、鬼人は動かない桃華を胸に抱き変えながら、無表情で、関心もなく闘兵衛を見据える。 「俺の名は、闘兵衛っ!……忘れるなっ!!」 闘兵衛は、港から離れていく黒船に叫ぶ。 月明かり残る海上、月を背負うようにして遠ざかる黒船。 闘兵衛はただただ、後悔と憎しみを入り混ぜさせた複雑な表情で、ソレらを睨むのであった。