「……質問に、答えてもらう」 闘兵衛は、悶絶するその男を見下ろし、感情を篭めずに言葉を続ける。 「山奥で……、民家を襲わなかったか?」 小刻みに痙攣をおこす男は、闘兵衛の質問に首だけを動かし、睨みつけて呻くように怒声を吐き出した。 「きっ、貴様ぁっ、殺してやるぅ!!」 闘兵衛は男の吐いた暴言に、感情を出さない。 「聞く耳無し、か……」 ボソリと呟き闘兵衛は、落ちている物でも拾うかのように、無造作に男の右耳をつまんだ。