港から船までの距離は、15㍍程であり、どちらにしろ小船等で接近するしかない。
コレ以上近寄れば、船底を擦って、座礁するであろう。
「船長……、これ、借りますよ?」
唐突に、ボソリと呟くように紅拳はジェノスに尋ねると、船員から縄を受け取り船首に結びつけていた。
さらに甲盤に置かれていたモップを拾うと、先端部分を外し木の柄だけにする。
「……ちょっと、行って来ますネ?」
紅拳はそう言葉を残し、縄片手に船から飛び降りるのだった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…