人外なる、者。
猛獣を思わせるほどの、凶暴性と、運動能力。
(……コレだけの殺意を放つ男など、私は一人しか知らない……)
鬼人の考察は、自分の知る化け物と類似する事を思い出させていた。
抹消したい、記憶。
圧倒的な、絶望感。
過去の出来事、である。
その化け物を彷彿させる闘兵衛は、明らかに脚を止めていた。
不可解な、行動。
その速度で掻き回せば、圧倒的に有利なハズ。
敢えて脚を止め接近戦を挑むは、体格差、体力差が如実に現れる愚の骨頂でもある。
黒鬼の眼前で撃ち合う為のように、闘兵衛は構えていた。
