「……つッ!?」
鬼人は自分の脇に差した太刀に慌てて手を掛け、戦闘体勢をとり、後ろへと振り返る。
まるで後方から脳髄を貫かれたような、感覚。
どす黒い、殺意。
全ての生物を拒絶するような、存在感。
鬼人は心臓を鷲掴みされたかのような、錯覚を感じていた。
「!?」
もちろん、黒鬼も鬼人と同じ殺気と恐怖を感じ、構えている。
殺意の発生源は、ただ、その場に立っているだけであった。
生物の天敵を思わせる、ヒト。
殺意の元でもある闘兵衛の顔が豹変し、頬を吊り上げ牙を剥く。
三度の、闘兵衛と黒鬼による死闘が、始まるのであった。
