鬼 鴉【総集編】



コレが、黒鬼の技。


奴隷船から脱走する時、両腕を鎖に塞がれた状態で、唯一使える技が蹴りであった。


人間を一撃で蹴り殺す程の威力は、奴隷船の船員で実績済みである。



ヒトとして例外がある訳も無く、闘兵衛は動かなくなっていた。




「終わった、か……」



鬼人は、闘兵衛と黒鬼の戦いを見届けると、桃華を担ぎ直して、港に向かい歩き出す。



『ザァザァァァッ』



波の音が周辺を撫で、先程までの喧騒を全て洗い流し、静寂が訪れる。


鬼人が真っ暗な海に視線を送ると、一隻の黒船がその瞳に映るのだった。