鬼 鴉【総集編】



『ベキィッ』



金砕棒によって、刺叉が激しく砕け散る。


しかし、ソコに闘兵衛の姿はない。


刺叉をとっさに手放し、黒鬼の右側面に回り込んでいたのだ。


「……チェイッ!!」


『ゴッ』


闘兵衛は右脚を振り上げると、踵の蹴りで黒鬼の右手首を弾く。


「チッ!?」


黒鬼は右手の痺れから、金砕棒を地面に落としてしまう。



「へっ、……二度も喰らうかよっ!!」



闘兵衛は黒鬼を睨み付けると、先程の金砕棒による攻撃の失敗を、あたかも挑発するかのように声に出すのであった。