船の甲盤から空を眺める闘兵衛は、まだ回復しきれていない身体を引きずるように動かす。



桃華らのその後の移動先は、不明であった。


しかし、闘兵衛は不安や落胆を感じていない。


死を覚悟したハズが、こうして生き延びたのだ。


澄み渡る青空は、どこまでも繋がっている。


生きている限り、いつでも出会えるであろう。


闘兵衛は左腕を伸ばし、太陽を掴むような仕種をとると、苦笑いを浮かべ諦めた。



船は海上を走り続ける。



ソレと同じように、別の物語が走り出すのだが、ソレは、いずれ―




    ― 終 ―