太刀は腸の脂によって滑り、臓器を避けて背中に突き出る。 突き刺した太刀を一捻りさえ出来れば、闘兵衛は死んでいただろう。 それでも、重要な血管を傷つけられた結果は失血死の可能性もあった。 ヘタに太刀を抜けば、そうなっていたのかもしれない。 紅拳の適切な処置がなければ、闘兵衛はココにはいないであろう。 全ての偶然が、闘兵衛の生命を救ってくれたのであった。