その闘いは、ヒトの抗いのようにも見える― 意志か、意地か、人間としての統べてのぶつかり合いにも見えた。 「……グスッ」 「?」 鼻を啜り涙ぐむヴォルトに、ジェノスは首を傾げ問い掛ける。 「イエ……。あの男の戦いを見ていると、何故だか泣けてきやす」 ヴォルトは目頭を押さえると、感極まったように声を震わせ答えた。