「し、死神っ!?」 鴉に対する過大な恐怖からか、紅拳から齎された忌まわしい呼び名に対して、ヴォルトは竦み上がる。 「死神ネェ……?まんざら嘘に聞こえない所が、おっかないじゃない?」 渦巻く殺意に感化されるように、ジェノスは紅い瞳を輝かせて呟く。 「……」 ジェノスの言葉に反応せず、紅拳は残された左目で冷静に、それでいて、魅入るように闘いを眺めるのだった。