「嬢っ!船がっ!?」 ヴォルトの緊迫した言葉と共に、ジェノスは海上に素早く視線を送る。 そこには、元鬼鴉親衛隊の乗る新造戦艦の姿があった。 「……あの、バカッ!!此処で死ぬつもり?」 全てを理解したジェノスは、左親指の爪を軽く噛みながら眉間に皺を寄せると、鋭く呟く。 闘兵衛は、先程ジェノスが口にした事の、正反対を行おうとしている。 全ての仲間を生かす為、化け物と1人で闘う事を決意したという、意味だった。