「失礼しました、船長。お詫びいたします……」 ロインはオペラ歌手のような美声で、ジェノスに頭を下げる。 「仕方ないサ……、これだけ長旅が続けば鬱憤が溜まるし、ネェ?」 ジェノスは冷たい視線をブレイドに送り、現在の状況を皮肉るように、口を開く。 「……チッ!」 ブレイドは舌打ちすると船員をかき分け、自室へと戻っていった。 ジェノスは視線だけで、ソレを見送るとロインの側に、近寄って行く。 白金と黒金、ジェノスとロインの二人双方が並び立つと、芸術作品のような華やかさがあった。