「……そう言えば」 ふと、思い出したかのように手下の目明かしは口を開く。 「一方の蹴りを放った男なんスけど、目つきが悪かったスね……」 対峙した様子を説明する目明かしは、その男性の外見を言葉にする。 「鋭いというのか……、ブッ殺されると思うような、威圧感がありましたよ?」 その一瞬に感じた恐怖を思い出してか、竦むように身震いしながら、さらに続けるのだった。