所、変わって― 1人の男性が、街道を走っている。 顔の造形に特徴がない。 傷口のような目と口があり、鼻がなければ、妖怪のっぺら坊のようだ。 名を、紙洲という。 街の岡っ引でもある紙洲は、ある人物を探っていた。