「では、急ぎましょう。……思い立ったら吉日、と言いますからネ?」 桃華は急かすように皐月に声を掛けると、少し早足で歩き始める。 「……ハイッ!!」 皐月は勢いよく返事をすると、速度を上げ駆け出す。 そんな皐月の背中を見送り、桃華は一瞬だけ足を止める。 「……」 そこには無言で、空を、太陽を眺め、顔をしかめる桃華の姿があるのであった。