鋭いながらも艶のある目に、高い鼻、憂いを帯びた唇、非常に整った美貌を持つ女性である。

船長と呼ばれたジェノスは、不機嫌そうではあるが口を開く。


「……なんだ?」


凛とした、声である。


「へぃ……、また、客人が……」


ジェノスの部下の船員であろう男は、申し訳なさそうに頭を下げた。


その恰好は頭に布を巻いており、薄手のシャツ、短パンと軽装で身を固めている。

腰にはカットラスと名称される片刃の刀剣を、装備していた。


対して、ジェノスは露出の高い胴体部のみを覆う白色の水着のようなモノに、黒いジャケットを羽織っている。

ただ、右肩と左腰に小剣ショート・ソードを二本ベルトで装着しているのだった。