背撃― 大地を踏み締め全身の力を背中に集中させ、相手に放出する技― 闘兵衛が以前闘った敵、紅拳という女拳法家が使った技、である。 ただ、闘兵衛なりに技に改良を加えていた。 通常は真横に吹き飛ばす技なのだが、闘兵衛はさらに相手の懐まで入り込み、真下から真上に向けて力が分散しないよう、加工している。 吹き飛ぶ事も出来ずに、鴉は体全身と内臓に深刻な衝撃を受けていた。 どんな生物でも臓器は、生きている以上の弱点としかいえない。 右手からは太刀が離れ、すでに鴉は、戦闘不能な状態に陥っていた。