「闘っ兵衛えぇっ!!」 太刀を投げ棄てる闘兵衛に向かい、体勢を立て直した鴉はその名を叫んでいた。 自分の左腕は、使い物にならない。 そう判断した鴉は、右手に持つ太刀を闘兵衛に突き立てようと、身体を限界まで捩り構える。 狂気滲みた顔ではあったが、その表情に嗤っている余裕はなく、全身全霊を持たせた一撃を放とうとしていた。