「……お主、名を聞いておこうか?」 鴉は無表情ではあるが、興味深げに、尋ねる。 「闘兵衛……、だ」 鴉の反応に少し驚きながらも、闘兵衛は律儀に、答えていた。 闘いの最中の、違和感― 答える事が闘兵衛にとって、なぜだか必要であるような気がしたからであった。