「……」


その言葉は繋がりを断ち切るような、悪い予感を持たせる。


桃華は一度だけ振り返ったが、見えたのは闘兵衛の背中だけであった。



まるで、今終の別れでもあるかのように―



「さて、と……」



桃華らの気配が近くから消えた事を確認し、再び闘兵衛は鴉と対峙する。


中庭に残っているのは、闘兵衛と鴉のみだが、2人とも動こうとする気配はない。


芝生が揺れ動き、中庭に風が吹き荒れる。



冷たい死の風が、流れるのであった。