「……鴉……」



地獄の底から齎されたような声で、その人物は、ゆっくりと声を発する。


鬼人の死体を従えるその姿はまるで、死神のようであった。



(コ、こいつは……)



闘兵衛は凄まじい緊張感を持って、ソレを睨み据えながら思案を巡らす。


その殺意は初めて経験するモノであるのだが、知らないモノではない。


ソレは、闘兵衛自身が一番よく知っている殺意であった。