どのような関係であれ、肉親の死というモノは胸に響く。 たとえ恨んでいようと、血を分けた者同士にしかわからない、繋がりがある。 桃華は鬼人の戦いと死を見届けて、大きく深呼吸をした。 鬼人が苦しまずに死ねた事だけが、妹として僥倖であったと言われても、過言ではない。 深い、言葉では言い表せない感情が、桃華の中に溢れていく。 涙を堪え、闘兵衛に視線を向ける桃華は、小さく頭を下げる。 それが、桃華にできる、唯一の謝礼であった。