「……桃太郎は、あの後もお前の事を気にかけてたゾ。いつか戻って来るんじゃないか、と……」 闘兵衛は、紙洲の感情の琴線を揺さぶろうとする言葉に、無表情で返答する。 「都合がいいな?鬼鴉の他に、どんな悪意があろうとも俺には関係ない。……俺は山の人間だ、街に下りる理由は無え」 紙洲は闘兵衛の言葉に、諦めたかのように肩をおろし、さらに重い口を開くのだった。