しかし― 「っ!!?」 脇差しが、抜けない。 鬼人は凍り付いた表情で自分の右手と脇差しに、視線を送る。 そこには、脇差しの柄を押さえ込む闘兵衛の右手があった。 「……なっ!!?」 予想外― 否、鬼人は予想など、してはいけなかったのだ。