先に動いたのは、鬼人であった。 高速の脚捌きは、一瞬で闘兵衛の制空圏に侵入を果たす。 さらに剣撃を打てる距離まで迫るという、驚異的な動きを見せる。 間合いを鬼人に侵略された闘兵衛の表情は一層険しくなるのだが、慌てる事もなく迎撃体勢をとった。 まるで、その動きを予測していたかのように― いくら速かろうが、鋭かろうが、その動きは桃華と同じである。 ソレに調整を加えるダケで、対応できた。