「だいたいな……、で?用事はなんだ?」 闘兵衛はそれを軽く受け流すと、本題を促す。 紙洲は、闘兵衛への評価を変える。 粗野な人間と思っていた人物が、実は知識を持つ博学者であるという事実は、ヒトという生物が見た目だけではないという事を、大きく物語っているのだった。 紙洲は、もう少しだけ話しをしたかったのだが、仕方なく重い口を開く。 「数日前の事なんだが、……街の近くで十数人の惨殺事件があった」 闘兵衛は紙洲の話しに、無表情で、仕方なく耳を傾けていた。