その中庭の中心に、鬼人が静かに立っている。 まるで、統べての出来事と疎遠であるかの如く。 「……妹はどうした?」 最初に口を開いたのは、鬼人であった。 落ち着いた口調で、桃華の存在を問い質す。 「テメェの女と、ケリをつけに行ったゼ……」 確証があるワケではないのだが、鬼人にはそう言った方が理解しやすいのだろうと、闘兵衛は声を発していた。