否、黙って皐月の技を喰らうほど、黒鬼も愚かではない。 左脚の切断を瞬時に避けたのだが、三分の一程度ふくらはぎを斬られる。 鮮血が、舞う― さらに闘兵衛は、皐月の攻撃に合わせるように、膝を落としてしゃがみ込んでいた黒鬼の顔面を、右中段蹴りにて穿つ。 『ビキィィッ』 「ブハァッ……!!?」 闘兵衛の蹴りによって、鼻骨を潰された黒鬼は、大量の鼻血を垂れ流しながら、悲鳴を上げた。