『パァンパンパンッ』 空中で姿勢を調え、黒鬼の追撃に対応しようとする闘兵衛の耳に、銃声が届く。 銃佐ェ門の回転銃による三連射が、黒鬼に向け火を噴いていた。 撃たれる瞬間に、黒鬼は丸太のような両腕で頭部だけを防ぐ。 本能であろうか、危険に対する反応は自我を失っても、鋭い。 否、自我を失ったからこそ、鋭かった。