だが、闘兵衛の舌打ちは黒鬼の放つ攻撃に対してではなく、その頑丈さにある。 打撃が効かないワケではないだろう。 しかし、現在の黒鬼には痛みというモノが、痛覚がないに等しかった。 それは、覚醒し修羅と化した闘兵衛に、酷似している。 だからこそ、闘兵衛は舌を打つ。 まさか、いつも敵が味わう恐怖を自分で感じるとは思ってもおらず、苦笑いすら浮かんでいた。