殺意を向けた代償は、さらなる殺意を味わう羽目となった。


限界まで鍛えられた筋肉は、人を超越する動きを可能とする。


黒鬼は床と壁を数歩で跳ね、死角から銃佐ェ門に迫っていく。


だが、迎撃を行うのは、皐月であった。


黒鬼の動きに合わせるように、大太刀にてその首を薙ぎ払おうとする。



『ギャインッ』



岩にぶつけたような、硬度の高い金属音が響く。


皐月の大太刀は、黒鬼の戦斧によって弾かれるのだった。