それでもソレは、生命を賭けた真剣勝負なのだといえた。


破られたからこそ、磨かれる技もある。


桃華にとって、闘兵衛という強者と戦った事実は大きな成長であった。


一度の勝利が、敗北が、人にどう働くかは、誰にもわからない。


しかしソレを経験する事は、人間にとって非常に大切なモノであろう。


だからこそ桃華は、余裕を持って、今を見つめている。


勝てるという余裕ではなく、勝ち負けを超越したナニかを、心に感じているのだった。