対極的な2人ではあるのだが、その手に握られた刃物が互いに同じ目的である事を物語っている。 しかし、殺意の渦中にいながらもその目的に対する思惑は、不安であり、憶測であり、出方の探り合いだった。 一対一、である。 (……まるで、あの時の鬼人様とランスの一騎打ちのよう、ね……) レイピアを眼前に掲げ、ロインは自分の置かれている状況を、冷静に見つめていた。