殺気が充満する室内に、静かなる闘志を纏う2人の女性が、徐々に徐々にではあるが、その制空権を縮めていっていた。



1人は波紋一つない水面のように、明鏡止水ともいえる心境を保つ、桃華である。

その眼光は鋭く射抜くようにありながら、穏やかなモノでもあった。


もう1人の女性は、冷酷な表情に厳しい視線を放ち、淡々と桃華を睨み据えている。


ロイン、であった。